動物を食べる人は、この親子の気持ちについても考えてみてください。「ベジタリアンの親子がいる畜産農家へ行ってきた。」愛する者たちを次々と殺されていくこの苦しみを、あなたはどれだけ想像できますか?
2018年4月
京都から電車に揺られて約3時間。
以前ブログで紹介した、畜産農家で苦しみ続けるまゆちゃんに逢いに行ってきた。
2015.4.7
畜産農家に生まれた苦しみ悲しみ、そして気付き。「まゆちゃんからの手紙/牛たちのメッセージ」
http://amour918.blog.fc2.com/blog-entry-1569.html
まゆちゃんと以前やりとりしてから約3年の月日が流れた。
たまに投稿される彼女のツイートからは、今もなお、
動物を食べ物にする世の中に対して、
畜産農家を止めようとしない経営者のおじいさんに対して、
憎しみ苦しみ悲しみが溢れている。
殺意すら湧くし自殺さえ考えてしまう・・・
そりゃそうでしょう、、、、、
彼女の立場に立ったら、こんな現実受けいれられるはずがない。
もしあなたが人生で大切に想ってる誰かを1人でも殺されたとしたら、
死ぬまでそれを引きずって苦痛を抱えること想像できますよね?
しかし、彼女は一度だけではなく何度も何度も大切な子たちを殺されるんです。
そんな現実耐えたい人なんていますか?
精神がおかしくなって当然ですよね?
肉食者が苦しめているのは動物だけではないってこと、その罪深さを感じて欲しい。
まゆちゃんのツイッターより一部を掲載。
まゆちゃんのいる牛舎へ到着。
何かお手伝いできればと思っていたので午前中到着目指したが、すでに掃除も済みゴハンも食べ終わった後で、
くつろぎモード中だった牛たち。
私は他の機会にも牛舎に何度か訪れているけど、
牛に怖い思いさせられたことは一度もない。
牛がとても大人しくて人懐っこくて暖かいことを知っている。
ここの牛たちは、まゆちゃん達の愛情に包まれて過ごしているから、
より人懐っこかったのは言うまでもありません。
そしてまゆちゃんと念願のご対面。
想像していたよりとっても明るい子だった。
あれから仕事も頑張ってるそうで色んな話を聞かせてくれた。
日頃彼女と接してる人の中に、彼女がこんな苦しみを抱えていることを知ってる人がどれだけいるのだろう。
仕事休みの日は牛舎へ行き、牛たちに精一杯愛情を注ぐ、それが今せめて自分にできることだと、まゆちゃんは言う。
いま飼育しているのは約60頭。
以前は倍以上の牛たちがいたらしい。
それは、ただお爺さんが体力的に厳しくなり面倒見切れなくなってきたことが原因で
お爺さんがまゆちゃん達の気持ちに寄り添ってるわけでは一切ない。
お爺さんは、まゆちゃん(孫)と、まゆちゃんのお母さん(娘)が、自分の仕事を良く思ってないことを知ってから、
より牛舎を手放す気はなくなったようで、まゆちゃん親子への嫌がらせ行為が続いているという・・・。
「先日もまた2頭新しい牛を買ってきたんです・・・」と怒っていたまゆちゃん。
そして新入りの可哀相な牛たちの場所へ連れていってくれた。
まだ来たばかりということで、鼻輪はついてないがこれから付けられてしまう予定。
鼻輪は奴隷の証。当然まゆちゃんは鼻輪が牛たちを苦しめることも知っている。
しかし、経営者のお爺さんが廃業を決めない限り、それを止めさせることはできないのです。。。
すべての牛たちに名前をつけているまゆちゃん、
たくさん名前教えて貰ったけど、全く覚えられなかった私、ごめんなさい(;'∀')
まゆちゃんと触れ合う牛たちの瞳がとてもキラキラしていた。
いつもまゆちゃんから優しくされてることが、まゆちゃんを見つめる牛たちの眼差しから伝わってきた。
まゆちゃんは作業中はいつもマスクをしていて、牛たちと触れ合う際にマスクに何か付着したら、
その牛との思い出にマスクを保管してるそうで今もの凄い枚数になっていると教えてくれた。
マスクは宝物になるそうです。。。
なんて悲しい宝物なのか。。。。
まゆちゃんの牛たちに対する想いの深さが伝わります。
そして牛舎にはまゆちゃんだけでなくお母さんの姿も。
今日はまゆちゃんのお母さんにもお会いすることが出来てとてもありがたかった。
まゆちゃんが動物を食べなくなった理由については知ってるけど、
お母さんがベジになった理由等については聞いたことなかったから、色々質問させてもらった。
お母さんは、まさかの私と同じ年。
そしてお母さんはバリバリの関西人って感じで気の強さがビシビシ伝わり私に似てると思った部分が大きく、とても話しやすかった、笑
もうすぐ出荷されるかもしれない恐れ(予定)のある牛たちには特に時間を費やして
体を掻いてあげたりブラッシングして少しでも多く愛情を注ぐというお母さん。
お母さんも、お爺さん(お父さん)に対して憎しみが溢れまくっていた。。
病気で弱っていた子がいたのだが、そんな子までお金に変えるために連れていきやがったとその時の様子を大粒の涙を流しながら話してくれたお母さん。。
こんな狭いスペースで過ごさせていることも、
本来牛が食べない餌を与えていることも毎日心が痛いと、、、
出荷された牛のデータをチェックするがほとんどの子は何かしらの病気を抱えているそう。
それまでは大丈夫だったのに、トラックに乗せられたあとは、下痢になる子がほとんどだそうで、
出荷時に牛たちが抱えるストレスの大きさも教えてくれた。
そしてもちろん牛たちが涙を流すことも。。。
そんなお母さんが動物を食べなくなった理由とは。
牛舎を営む両親の元に産まれたお母さんだが、
お母さんが動物を食べなくなった、目覚めたのは30代後半ということ。(環境は違うが私も30代後半だった。)
小さい頃から牛がいるのも食べるのも当たり前でそれまで過ごしてきたが、
ある日、お母さんのお母さん(おばあちゃん)が、食卓で肉の切り身を出してきて
「この肉は牛舎のあの子だよ。」と言ったそうです。
今まで肉を食べててもそんな風に考えたことなかったのに、そのお婆さんのセリフがとてつもくショックなものに変わり、
今まで何とも思わずに食べていた肉が肉ではなくなり、その時から肉が食べれなくなったそうです。
家が牛を飼っているという理由で、小学校の時「イジメ」に遭っていたというお母さん。
私はそれがまずびっくりだった。
イジメられた理由は「汚い。臭い。」というもの。
私は逆に大きな牛を飼ってるとか褒められる対象にになるのではないかと思っていたから、意外だった。
世間の決めつけは本当に酷い。簡単に誰かを傷つける。
そしてまゆちゃんも牛飼いの家の子ということでイジメにあった事があるそう。
小さい頃は、そんな嫌な思いをしてきたので、自分を被害者にする牛を悪者みたいに思ってたそうです。
だから出来るだけ牛舎には近寄りたくないし、仕方なくたまに手伝いにいく程度で、牛たち自身のことについて考えてみたことはなかったそう。
その後、結婚してまゆちゃんが生まれ、牛舎のお手伝いをする中で、小さな時に牛に向けていた視線が、少しづつ変わっていった、
まゆちゃんが生まれてからお母さんの中で牛たちに対する思いが変わって言ったのかもしれません。
目の前に出されたお肉が、まゆちゃんと同じ存在である事に気づいたのかもしれません。
細かい部分までは聞くことが出来なかっけど、
肉の持ち主が誰だったかを聞かされたことで、肉ではなくなったのです。
お母さんが突然肉を食べるのを止めると行った時、当然まゆちゃんはビックリしたそう。
そしてそんなお母さんに、牛舎の手伝いをお願いされ牛たちと触れあううちに、
まゆちゃんも動物は食べものではなかったことに気づきました。
もしまゆちゃんのお母さんが、動物は食べものじゃないって事に気づき生き方を改めてなかったら、
今のまゆちゃんもいなかったのではないだろうかと思います。
目の前に動物を食べなくても生きていける事を示してる人がいる。その存在は大きかったと想像する。
お金のことしか考えていない、経営者のお爺さんに任せていたら、悲惨な状況になると、
畜産農家を終わらせたいと思ってるまゆちゃんと、まゆちゃんのお母さんが牛舎に通い牛たちを守り続けている。
帰り駅まで送ってくれる車の中で、
「お爺ちゃんのことは憎いけど、こういう環境になかったら、もしかしたら今でも私は肉を食べていた残酷な人間のままだったもしれない・・・」っと心の内を話してくれたまゆちゃん。
そう思うと、なんともいえない気持ちになると。。
環境は違えど私も小さい頃から激しく糞ジジイでキチガイの父親による暴力行為に苦しんでいたため、まゆちゃんの気持ちが解る部分がとても大きかった。
愚か者の見本をみせてくれる人が目の前にいたからこそ、より傷つき考え気づきを得る部分が大きくなるというのは確実にあると思います。
いまお爺さんは、まゆちゃん親子へ抵抗する気持ちが大きく牛飼いを続けることを生きがいにしているようだが、
少し痴呆が入ってきたのではと思われる様子もあると聞き、高齢もあってそう長くは続かないと予想される。
まゆちゃん親子以外にも身内はいるそうだが、牛舎の存在に無関心な人たちばかりだそうで、引き継ぐひともいないだろうとのこと。
あとどれくらい牛たちと共に苦しみ続ければならないのかは解らないが、
畜産農家にベジタリアンの親子が存在するという事実が及ぼす影響は計り知れないと思う。
この日本で、ベジタリアンの親子がいる畜産農家なんて聞いたことがない。
まゆちゃん親子の存在は、必ず苦しみ続けてる者たちの希望になる。
世界は広い。味方がいるから大丈夫だよ。
全ての畜産農家の皆さまへ。永遠に語り継いで貰いたい素晴らしいニュース。
「食肉処理に出すのは裏切り行為だったことに気づき、牛の飼育を廃業した農場経営者の気持ち。」
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
別れ際、これ食べて下さいと、まゆちゃんから手作りのVEGAN弁当をいただいた。
あの世に旅立ったまゆちゃんの家族の牛たちがこのお弁当の中で微笑んでいると思った。
今まで食べたどんなVEGANご飯よりも、一番美味しいと感じて胸が熱くなった。。
まゆちゃん、そしてお母さん、おじいさんが廃業した暁には、是非VEGANパーティーで祝おうね。
それまで、それぞれの環境で共に頑張ろう。
また逢える日を楽しみにしています。