ロシアで監禁されてる「イルカ監獄」約100名の行方は?続報。太地町やロシアで囚われてるイルカたちを救っていくための金の鍵は中国が握っている。「イルカたちを助けたい海外の皆様への日本人からのお願い」 #イルカビジネスに終止符を

(追記)

プーチンがイルカ解放に向けて動いた背景に、レオナルド・ディカプリオの訴えが影響していたそうです。

さすがレオ様ありがとう!!

そしてレオ様!!

和歌山県太地町には、中国の水族館に売り飛ばすために監禁されてるイルカたちが200名以上います!!

レオ様、どうか中国の水族館へもイルカを買うなと呼びかけてほしい!

太地町のイルカ達を助ける力になってください!

「レオ様がプーチン大統領動かす 劣悪環境の動物救う」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190304-03040504-nksports-ent

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2019年3月1日

以前以下の記事で伝えていた、ロシアのイルカクジラ監獄の件。

イルカを売って15億。太地町から中国へ。ロシアから中国へ。中国へ売り飛ばされる可哀相なイルカ達。「中国の水族館へイルカを買わないでと訴えるアクション。宛て先1軒追加。」 #クジラ監獄 #イルカビジネスに終止符を

http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-218.html

その後の続報。

【動画】「イルカ監獄」約100頭は解放されるか

シロイルカ87頭とシャチ11頭、衰弱しており専門家も危惧、ロシア極東

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/021000097/

【動画】捕獲されたシロイルカとシャチ。低温、細菌、ストレスの影響で健康状態が悪化しているとみられる。(解説は英語です)

動画はリンク先からご覧ください。

 ロシア極東のスレドニャヤ湾に作られたいけすに、シャチ11頭とシロイルカ87頭が閉じ込められ、衰弱している。海の生きものを水族館に供給するロシアの4つの企業が、2018年の夏に数カ月かけて捕獲したものだ。同年11月、この施設の様子がドローンで空撮され、動物たちの窮状が報じられると、メディアは「イルカの監獄」と呼んだ。

 ロシアの地方当局は、違法に捕獲されたと疑われる海洋哺乳類について、同じく2018年11月に捜査を開始。ロシアの検事総長は、これらの動物を中国など他国の水族館に販売するのは違法だと警告した。(参考記事:「批判が高まる水族館ビジネスの現状」

 サハリンと極東沿岸を拠点とするNGO「サハリン環境ウオッチ」代表のドミトリー・リシツィン氏は、閉じ込められた動物たちの健康状態はかなり悪いようだと危惧する。当局はリシツィン氏や海洋哺乳類の研究者、それに獣医師を招き、2019年1月18日と19日に施設に立ち入り、動物の健康状態を調べた。

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海に作られたいけすの中で泳ぐシロイルカ。ロシア、スレドニャヤ湾の施設に87頭のシロイルカが閉じ込められている。(PHOTOGRAPH BY SLAVA KOZLOV)

 リシツィン氏によれば、シロイルカ87頭のうち15頭は子どもで、捕獲の時点ではまだ離乳していなかった可能性が高い。また、どのシロイルカも弱っていたようだという。施設の職員は囲いの中に張った氷を定期的に砕き、動物たちが水面に出られるようにしているとリシツィン氏は説明する。そうしないと、呼吸ができずに死んでしまうからだ。シロイルカは「氷の張った海で生活するのには慣れています」とリシツィン氏。「しかし、わずか12×10メートルのスペースに収容され、しかも人間が頭上からシャベルを打ち付けてくるような環境には慣れていません」

 また、シャチの状況はさらにひどいという。シャチは冷たい水中で暮らすのには慣れているが、通常、冬の間は南に移動する。リシツィン氏が撮った映像からは、数頭のシャチの背びれやその周囲の皮膚に病変があるのがわかる。映像を確認したリシツィン氏と研究者は、病変は長期間低温にさらされたことによる凍傷か、よどんだ水から発生したカビか細菌感染のいずれか、または両方ではないかと話している。(参考記事:「米テーマパークがシャチショーの歴史に幕」

 モスクワに本部がある獣医学・生物工学アカデミーの教授で、獣医のタチヤーナ・デニセンコ氏もリシツィン氏と共に施設に立ち入り、シャチの病変と水のサンプルを採取した。「11頭のシャチのほとんどで、皮膚に種々の微生物がびっしり付いていました」とデニセンコ氏。いけすの中に残った餌が腐り、そこからシャチの皮膚に感染している可能性があるという。

 デニセンコ氏やリシツィン氏ら専門家が特に懸念しているのが、「キリル」と名付けられた若いシャチだ。動きが非常に鈍く、皮膚の病変も広い範囲に及んでいた。リシツィン氏はキリルが死んでしまうのではないかと心配している。

野生に戻すことはできるか

 シロイルカとシャチの運命はいったいどうなるのか。当局が没収してリハビリさせた後、野生に返すかもしれない。あるいは、捕獲した企業は法に違反しておらず、動物たちを水族館に売ってもよいと判断するかもしれない。しかし、モスクワに拠点を置くNGO「海洋哺乳類会議」の副議長、ドミトリー・グラゾフ氏は、「ロシアの水族館でシャチを受け入れられるところはなく、国外に輸出するのも違法です」と話す。同団体は海洋哺乳類保護について研究するため、同じ分野の科学者たちをつないでいる。

(参考記事:「水族館から大海原へ」

 さらに、イルカたちが死ぬという第3の可能性もある。

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野生で捕らえられた11頭のシャチも、海に浮かぶ囲いに閉じ込められている。立ち入りを許可されてサンプルを採取した獣医は、ほとんどのシャチの皮膚に「種々の微生物がびっしり付いていました」と話している。(PHOTOGRAPH BY TATIANA IVKOVICH)

 リシツィン氏らは、シロイルカとシャチが違法に入手されたものであり、中央政府が保護に動くべきだと主張する。「サハリン環境ウオッチ」を含む3つのNGOは2月1日、ロシアの政府機関3つを相手取って訴訟を起こした。ロシアの法律では、違法に入手された野生動物は政府機関が押収し、自然の生息地に返す義務があるというのが彼らの訴えだ。「国がこの動物たちの正当な所有者なのですから、押収して野生に返さねばなりません」とリシツィン氏。

 動物の所有権を主張する4社の1つ「ベルイ・キット(Bely Kit)」は、シロイルカとシャチは合法的に捕獲したとコメントしている。同社の弁護士、アントン・ペカルスキー氏によると、同社は年内に「動物をロシア内外の水族館に引き渡す」方針であり、「裁判所の命令がない限り野生に返すことはしない」とEメールで述べている。残り3社のうち、「アファリナ(Afalina)」と「オーシャナリウムDV(Oceanarium DV)」の2社も法を順守していると地元メディアに話した。4社目の「ソチ・ドルフィナリウム(Sochi Dolphinarium)」にもコメントを求めたが、回答は得られていない。

(参考記事:「IWC脱退 商業捕鯨を再開する日本の今後」

 なお、2月7日、ロシアの捜査機関はこの施設が動物を虐待している可能性があるとして新たに捜査を始めたと発表した。発表によると、捜査機関は動物を野生に返すため「速やかに包括的な措置を取る」予定だとしている。

 カナダ、ブリティッシュコロンビア大学の動物学教授でシャチの専門家でもあるジョン・フォード氏も、リシツィン氏が撮った映像をチェックした。その上で、きちんとした医学的検査と丁寧な治療を行って健康を回復させれば、ここのシャチは野生に返せるかもしれないと話している。スレドニャヤ湾付近で一緒に放せば、「少なくとも短期間はそのメンバーで社会集団を作るでしょう。年長の個体の狩りの能力が、若い個体にとって助けになるかもしれません」とのことだ(リシツィン氏は、同じことがシロイルカにも言えると話している)。(参考記事:「【動画】川で迷子のシロイルカ、飛行機で海へ」)

「ですが」とフォード氏は指摘した。「環境のひどいこの施設に長くいればいるほど、シャチが野生の暮らしに戻るのは難しくなるでしょう」

文=NATASHA DALY, MARIA ANTONOVA/訳=高野夏美

捕獲されたシャチとシロイルカ100匹の運命、政府内で意見対立 ロシア

http://www.afpbb.com/articles/-/3213181?pid=21007500

2019年2月27日 18:27 発信地:モスクワ/ロシア [ ロシア ロシア・CIS ]AFP BB NEWS

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【2月27日 AFP】ロシアでシャチやシロイルカベルーガ)が大量に捕獲され、中国の水族館へ不正輸出されている問題が昨年発覚したが、ロシア政府内の意見対立が原因でシャチらの解放が阻まれている。

 昨年夏、生け捕りにされたシャチ11頭とシロイルカ87頭が、ロシア極東のナホトカ(Nakhodka)にある警備付きの施設で小さないけすに閉じ込められている写真が公開され、国際的な非難が巻き起こった。

 ロシアはシャチとシロイルカを「教育」目的で捕獲できる唯一の国だが、法の抜け穴をついて、中国で増えている海洋水族館の需要を満たすために輸出されている。ロシア政府は22日、「苦しんでいる」動物たちの運命を解決すべきだとしてこの問題に介入した。

 しかし政府内では、イルカの解放を要求する天然資源環境省と、捕獲を合法的な産業の一部として擁護する連邦漁業庁の間で意見が二分している。

 シャチには、魚を餌とする一般的なシャチと、アザラシを餌とする珍しい群れがいる。捕獲されているのはより希少な後者だという。天然資源環境省はアザラシを捕食するシャチを、国際自然保護連合(IUCN)が指定する「絶滅危惧IB類(EN)」に分類しようとしている。同省によれば、アザラシを捕食するシャチでロシア領海内にいる成体は、わずか200頭だという。

 一方、連邦漁業庁を管轄する農業省は、シャチ全体を水産資源に対する脅威とみなし、シャチは危機に瀕していないと主張している。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は22日に大統領令で、3月1日までに「イルカの運命を決める」よう閣僚らに指示した。

 昨年捕獲されたシャチとシロイルカを海に戻す活動に携わる「サハリン環境ウオッチ(Sakhalin Environmental Watch)」のドミトリー・リシツィン(Dmitry Lisitsyn)代表は、「1シーズンのうちにここまで大量に捕獲され、1か所に閉じ込められている例はない」と話す。ナホトカ市内では16日、環境団体や支持者たちがシャチとシロイルカの解放を求め抗議活動をした。

 ロシアの捜査当局は、密漁と動物虐待の容疑で捜査を開始した。また同国の環境監視当局は、捕獲されたイルカを輸出する許可証の発行は拒否したと述べている。しかし捜査自体も、裁判に発展する場合も何か月もの時間を要する可能性がある。(c)AFP/Maria ANTONOVA

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ロシアでシャチやシロイルカが大量に捕獲され、中国の水族館へ不正輸出されている問題で、ロシア極東ナホトカ近郊の湾内に設置されているいけすを空から撮影した画像(2019年1月22日撮影)。(c)Sergei PETROV / AFP

~転載終了~

イルカを搾取することしか頭にない日本と違って、

イルカの解放を要求する天然資源環境省があるなんて羨ましい限り。

しかし動物好きで知られるプーチン大統領

イルカの運命を他人に任せようとするなんて、他人事モードでムカつくと思っていたら、

本日以下のような最近ニュースが出ていました。

プーチン、ちゃんと解放に向けて動いたんですね。

【映像】ロシア極東の「クジラの監獄」 プーチン大統領が調査を指示(AP通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190301-00010000-aptsushinv-eurp

3/1(金) 12:19配信 Yahoo!ニュース

(リンク先映像あり)

モスクワ、ロシア、3月1日(AP)― ロシア当局は、極東の海上に設置した「クジラの監獄」と呼ばれる狭い生簀(いけす)で、100頭を超えるベルーガなどを飼育している管理業者4社を訴追した。

 関連会社とみられる4社はこれまで、クジラなどを違法に捕獲し、海外の娯楽施設などに売却した罪で罰金を科せられた過去が明らかになっている。

 連邦保安庁国境警備局は、4社はクジラなどを違法に捕獲しているとみており、ベルーガなどが、極東ウラジオストック付近のスレドニャヤ湾に設けられた狭い生簀に飼われているという環境保護活動家らの指摘通りだと認めている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先週、当局に調査とクジラなどの解放を命じており、国境警備局の動きは大統領の指示に沿ったものとみられる。

 クジラは闇市場では巨額で取引されており、活動家らは中国国内の遊園地向けに違法に捕獲されていると指摘。

 クジラの監獄には当初、ベルーガ90頭とシャチ12頭が飼育されていると伝えられていたが、当局によると、ベルーガ3頭が逃げ出したようだという。

(日本語翻訳 アフロ)

~転載終了~

このような問題が発生する最も大きな原因のひとつ。

太地町とロシアに共通する問題点でもある、

水族館建設ラッシュの中国の需要を満たすためにイルカ達が苦しんでいるということ。

いい加減理解してもらっていいですか?的な。

太地町で囚われたイルカたちは、中国へどんどん送りこまれています。

そして今後も中国は太地町をメインにイルカたちを仕入れる気満々・・・・・・。

ロシアの今回の一件で、中国はロシアからイルカたちを仕入れることはより厳しくなるでしょう。

そして日本がますますターゲットになる&日本の愚かさが際立つ系。

ロシアのプーチンはイルカ(クジラ)解放のために動くのに

日本の安倍はイルカ(クジラ)搾取のためにしか動かない。

あとどれだけ溜息をついてうんざりして、どれだけの命が犠牲になれば、

安倍みたいな鬼畜が日本のTOPに成り果ててしまうこの現実から私たちは解放されるのだろう。

以下は1月25日に中国へ送られたイルカたちの記事。 

9頭のイルカ、中国の建設中の海洋公園「撫仙湖歓楽大世界」へ送られる

http://iruka.biz/export/post-293

中国への訴えがどれだけ、重要であるか理解している日本人は非常に少ない。

そんな中国へ向けてのハガキアクション。

本日投函日でしたが、行動したのは30名にも満たないお粗末さ。

日本人は、行動できる人が少なくてどうしようもない。。。

本当に恥ずかしいこと。

日本人で個人で活動してる私のような声は、日本のアニマルライツ界にすら届かない状況。

本来このアクションは日本人が行ってこそ意味があると思っていたが、

中国への訴えをより大きくしていくことがどれだけ重要かを思い知らされる日々。

そこでイルカたちを守りたい、太地町のイルカ追いこみ猟に反対している海外の方へお願いがあります。

海外のイルカ保護を訴える団体等の力はとても大きい。

デモ行進等も頻繁に行われている。

そのエネルギーを、太地町ではなく、今後は中国へも向けていただけないでしょうか?

イルカたちを守りたい海外の皆さんが一致団結して、中国へ太地町のイルカを買わないでと訴える様々なキャンペーンを展開してくださることは、とても効果的なアクションになると思う。

例えばアクションの提案のひとつとして、海外で「中国は太地町からイルカを買わないで!」という訴えをメインにした中国へ向けてのデモ行進をする。

そのアクションはメディアに取り上げられ中国の人々へ届くことでしょう。

中国へ訴えるアクション、どうか海外の皆様でも盛り上げていただけないでしょうか?

以前元イルカ調教師で今はイルカ保護活動家になったリック・オバリー氏が、中国で以下のようなアクションを行ったが、

今後も中国へ向けてのこういったアクションが行われることが、イルカたちを解放に導く正に金の鍵になると思う。

「イルカショーや水族館に対する反対運動は日本より中国の方が活発になる可能性がある、と話した。なぜならば日本では反捕鯨・イルカ保護活動団体は小さく、断片的であるからだ。」

情けないけどほんとその通り。

日本人の力だけではどうしようもない現実があるが、日本から世界へ向けて発信する力は微力ではないと思いたい。

海外の皆様、助けてください。

I have been hosting a monthly action in Japan to send postcards to Chinese dolphinariums asking them not to buy dolphins from Taiji.

Today was one of the posting days, but the number of people who participated did not even reach 30.

There are very few Japanese people who understand how important it is to appeal to China.

The number of Japanese people who can take actions is so small that it's hopeless.

It's such a shame.

Voices of Japanese people like me who act individually are not heard even by the animal rights community in Japan.

At first, I thought it was important that none other than the Japanese people did this action, but now I feel the importance of expanding this action and sending more voices to China.

So, I have a request to everyone in the world who is against dolphin drive hunts in Taiji and wants to save the dolphins.

The power of international groups fighting to protect dolphins is enormous.

Demonstrations and protests are held frequently.

Could you please put that energy not only to Taiji but also to China?

I think it would be a very effective action if everyone abroad who wants to protect the dolphins unite and develop various campaigns demanding China not to buy dolphins from Taiji.

For example, if there are demonstrations in other countries demanding China not to buy dolphins from Taiji, such actions will be covered by the media and will appeal to the people of China.

Could you please boost the actions directed at China in your countries too?

In 2015, Ric O'Barry, a former dolphin trainer and the founder of Dolphin Project, conducted an action in China as described in the article below.

I think that this kind of action directed at China will be the key to liberation of dolphins.

https://www.japantimes.co.jp/community/2015/07/29/issues/chinese-front-opens-battle-taijis-dolphin-drive-hunts/

The article quotes Peter Li, the China policy specialist for Humane Society International, as saying that he believes that a large-scale campaign against live dolphin shows and aquariums is more likely to occur in China than in Japan, where anti-whaling and dolphin protection groups are small and fragmented.

Sad but true.

There is a reality that Japanese power alone cannot help, but I want to believe that the power to send out a message from Japan to the world is not a tiny force.

People in the world, please help.

太地イルカ漁をめぐる論争、中国が新領域に

http://bit.ly/2Uff11R

Published by Shaun O'Dwyer at 2015-10-13 Ceta Journal

著者:ショーン・オドワイヤー。明治大学国際日本学部特任准教授。

翻訳:塚本仁希

2015年06月29日ジャパンタイムズ掲載

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(2015年4月、杭州市の「ザ・コーヴ」イベントで本にサインする共著者のリック・オバリーとハンス・ロス)

今年4月、和歌山県太地町で捕獲されたイルカの取引を動物虐待行為であると世界動物園水族館協会(WAZA)が断定し、この判決により日本動物園水族館協会(JAZA)に資格停止処分が下された件がマスコミを騒がせた。

しかしその同月、メディア露出は比較的少なかったが、太地の捕獲イルカ輸出市場にまた大きな影響を及ぼしそうな事態が発生していたのだ。4月21日から28日までの間、『ドルフィン・プロジェクト』の代表、リック・オバリーとスイス人ジャーナリストのハンス・ロスは中国を訪れ、中華書局によって翻訳された二人の共著本を広報するために各都市をまわった。太地の捕獲イルカ産業について書かれた同書の題名は、オバリーがナレーションを務めた2009年アカデミー賞受賞映画と同じく、「ザ・コーヴ」。

この本を中国で宣伝した理由についてオバリー氏は、「太地から輸出されるイルカの大半は中国に送られているが、日本からのイルカ輸入の禁止を求める草の根運動も始まっている。中国の人にとにかくこの本を読んでもらい、問題についてもっと知ってほしかった」と話す。

クジラ類の生態輸出産業データを集めるオンラインサイト「Ceta Base」もオバリー氏の主張を裏付けている。2002年から2014年にかけて太地がイルカを輸出していた17カ国のうち、最も取引が多かったのが中国の水族館であり、全売上の60%と売上総利益の71%を占めているのだ。

ツアーの反響は二人を驚かせ、「初版30,000部で3ヶ月の間に売り切れた」とのことだ。同行したドイツ人の独立環境活動家、サーシャ・アブドルマジドは「動物福祉に関する本がこれほどメディアの注目を集めた例は見たことがない」と中国の出版元から言われたそうだが、訪れた各都市(北京、杭州、上海、成都)のマスコミからは確かに好評を受けている。有名新聞紙、北京青年報に掲載された批評に書かれた宣言文はこうだ。「この本『ザ・コーヴ』は私達の前に質問を投げかけています。: あなたは、それでも水族館に行くためにチケットを購入しますか?」

中国文化における動物に対する姿勢にまつわるステレオタイプについては明らかに再考察する必要があるが、その話はあとでしよう。まず先に、このツアーとWAZAの判決が今後、太地のイルカ追い込み漁どのような影響を及ぼすのか考えてみたい。イルカ漁が廃止されれば太地の漁師にはどのような選択肢が残されるのか?これらの質問を太地に詳しい活動家や学者に聞いてみることにした。

和歌山大学で太地の捕鯨伝統を研究しているサイモン・ワーン教授はWAZAの判決や中国での活動がイルカの追い込み漁を止めるだろうという期待に疑念を抱いている。「生態取引がいつか終わろうが終わらなかろうが、太地町の食糧のためのイルカ漁まで止める事はできない。そのような思い込みは太地の人々やその地域に対する誤解だ。いずれは食文化を守るための小さな抵抗が起こり、生産量と需要は現在のレベルに近い程度で落ち着くだろう。」

“太地ウォッチャー”として長年活動を続ける動物福祉活動家のエム・ベッティンガーに話を聞くと、判決を喜ぶ声の代わりに慎重な反応が返って来た。大金をはたいてクジラ公園や保護区を新設しても成功につながるとは限らない、と彼女は意見する。それでも、太地と新宮(和歌山県沿岸部のより有名な観光地)をつなげる高速道路が建設中であるので、「クジラ公園施設が成功しなくても太地への交通アクセスは改善される。他の事業が開発され、地元の観光業への支えになることを期待している」と話す。

同じく太地ウォッチャーであり、『セーヴ・ザ・ブラッド・ドルフィンズ』のキャンペーン・マネージャーを務める山口たかよさんは「政府からの援助があれば」太地の漁師はイルカ追い込み漁をやめると信じており、「別の国内観光地の実例のように、持続可能なクジラ類観光業に移行すればよい」と意見を述べる。しかし、野生イルカ漁が禁止されれば、太地町のくじら博物館を含む日本の水族館は「独自のイルカ繁殖に取り組み始めるかもしれない」とも話す。

太地町の捕獲イルカ取引に、より強硬な態度を取るよう、リック・オバリーと共にWAZAに圧力をかけてきた環境団体「エルザ自然保護の会」会長の辺見栄は捕獲イルカやイルカ肉の市場が衰退すればイルカ漁師達は従来の漁業に復帰でき、「海で(イルカ)ウォッチングも可能」と推測する。「追い込み猟は、文化でも伝統でもありませんが、伝統として残したいなら、方法を変えて、博物館のなかで残すべきで、それは、可能だ」と辺見氏は語る。

世界中から糾弾され、WAZAから処分が下ったにもかかわらず、ワーン氏が断言するようにイルカ追い込み漁が今後も継続されるのはなぜなのか。そしてなぜ山口氏、ベッティンガー氏、辺見氏が推進するような代替的観光業やビジネス起業を太地町が受け入れないのか、ある外国人読者は疑問に思うかもしれない。“これは傲慢なエゴの極致ではないのか?”しかしそう考えるのはグローバル化時代において強力な魅力を放つ文化ナショナリズムを過小評価することになる。自国の国柄が他国と比べてどれだけユニークで特別であるかを見せる手段として、食文化などをしばしば利用するのが文化ナショナリズムだ。

太地町は歴史的に日本の「捕鯨発祥の地」であり、鯨肉にまつわる文化ナショナリズムの砦でもある。これまで活動家達が攻撃すればするほど、支援者達は団結し、「自分たちの伝統的な食文化」に「西洋的価値観」を押し付けてくる部外者を拒み続けてきた。クジラ類肉を食べる日本人の数が激減しており、イルカの捕獲商売は食文化でも伝統でもないにもかかわらずだ。

成長を続ける中国の動物福祉運動の様子から、「西洋」の動物の権利の啓蒙者達を「非西洋」の伝統文化と対立させる文化本質主義的な台本は時には事実に当てはまらないというのが分かる。文化は流動的であり、自国の文化に対する国民の態度も変化する。

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(2015年4月、杭州市の「ザ・コーヴ」イベントで本にサインする共著者のリック・オバリーとハンス・ロス)

具体的には、近年の中国では動物福祉団体が強い影響力を持ち始めている。2014年にはカナダが中国にアザラシ製品を輸出する計画を中国の団体連合が阻止し、「中国人は何でも食べる」とカナダのアザラシ産業関係者が豪語した発言が国民の怒りを買った。活動グループは国内のグルメ業界にもターゲットを定め、フカヒレスープの消費に対する啓蒙キャンペーンを繰り広げ、注目を集めることに成功し、犬肉業界にも反対運動を起こし始めた。

犬肉やフカヒレが政治的にも批判されている今、中国の食文化を“西洋化”から守ろうと国民に対し訴える声も上がったが、今のところ反応は薄いようだ。中国共産党の立場から見ても、このような問題に関する市民社会活動を制限的に許可する事は食の安全や環境規制の向上に役立っているのかもしれない。

中国都市部において動物福祉への意志の高まりが急速に広まっている事実はさほど驚くべきことではない。ヒューメーン・ソサエティ・インターナショナルに属する中国政策専門家、ピーター・リー氏曰く、「2011年以降、中国で爆発的に広まっている動物愛護活動はポスト工業時代の西洋文化圏で環境活動を連想させる」が、発展の斯道は類似するものの、比較的短縮されている。「経済成長は都市化や可処分所得の増加につながるので、人々は日々の食事の調達以外の事にも目を向けるようになる」とリー氏は説明する。

30年にわたる急激な経済成長期に増え続けた中国都市部の中産階級は消費基準のライフスタイルを重んじる物質主義からそのような蓄積や消費から生じる環境コストに疑問を持ち始め、今ではポスト物質主義に移行してきている。動物を消費のための物体以上の存在と理解する意識はそこから始まるのだ。

インターネットやソーシャルメディアの世界進出もこの意識改革に一役買っている。ジェーン・グドール・インスティテュートの香港事務所の代表を務めるロザンナ・インは「様々なプラットフォームや媒体を通して中国国内に情報が流れこむ今、中国の活動家は色々な活動議題について学ぶ事ができるようになりました。『ザ・コーヴ』の本があれほど中国で大きな反響を呼び起こした理由のひとつがそれです」と話す。

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(「ザ・コーヴ」の共著者ら、中華書局出版社スタッフや友人と上海にて)

ピーター・リー氏は、イルカショーや水族館に対する反対運動は日本より中国の方が活発になる可能性がある、と話した。なぜならば日本では反捕鯨・イルカ保護活動団体は小さく、断片的であるからだ。この件に関しては著者が以前ジャパン・タイムズで説明している。

日本のクジラ類肉“食文化”を象徴する太地町のステータスは今でも国内の脆弱な反発から安定して守られている。産経新聞の記事は「太地の捕鯨は400年の歴史がある。どんな敵対勢力があったとしても前を向いて続けていく」という言葉でまとめられているが、今後もし捕獲イルカ商売が終わり、外国人旅行者が好むエコツーリズムの選択肢もないままであれば、この産経記者が書くような太地の「伝統」と「誇り」を守るための機会費用は増額するだろう。

しかし、伝統と誇りに対する思いは経済議論はもちろん、人道的議論に対してうまく反論できるものではない。太地町のイルカ追い込み漁をめぐる争いは今後もまだ続きそうだ。

~転載終了~

(関連記事)

中国が日本のイルカ猟廃止の金の鍵を握っている

http://bit.ly/2UgduIK

本日3月1日投函の中国へ向けたハガキアクション。

今回私は、体中にワセリンを塗りたくられ棺桶に詰め込まれ地獄の中国の水族館へ強制的に連れて行かれてるイルカたちのことを思い出しながらハガキを書いた。

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3月1日投函分。その他参加してくださった皆様のハガキを一部掲載しておきます。

「毎月1日投函☆太地町のイルカ追い込み猟で囚われ中国へ売り飛ばされるイルカ達に代わって、中国の水族館へハガキを届けるアクション☆」FBイベントページ

https://www.facebook.com/events/296019594443693/permalink/306850446693941/

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第7回目となる4月1日投函分。イベントページはこちら。

FBされてる方で参加の方は、参加ボタンをちゃんと押してくださいね。宜しくお願い致します。

https://www.facebook.com/events/312095069493689/